オーバーヒートの主原因!2馬力船外機のインペラ交換手順

船外機

ヤマハ4ストローク船外機 F2BMHS(2馬力)型式・6EF

症状・検水口から水が出ない

原因・インペラ破損

本日は、ヤマハの2馬力船外機のインペラ交換の手順を紹介します。

まずは、不具合の症状と原因です。

症状

船外機艇で浅瀬を航行中検水口から水が出なくなり、排気から白い煙が出た。

インペラは、古いものではなく最近交換したばかり。

原因

エンジンを止めて船外機をチルトアップして給水口を確認すると、海底の泥で給水口が詰まっていました。

作業場に持って帰りインペラの状態を確認すると・・・

この通り、羽がバラバラになっていました。

この状態では、当然水を吸い上げる事ができません。

吸水口が詰まってしまった事で水が上がらなくなり、インペラが熱を持って最終的に羽が全て千切れてしまったようです。

インペラハウジングにも溶けたゴムが付いたり、ハウジングの樹脂が溶けたりしていました。

今回のケースは泥詰まりが原因ですが、その他にもビニール袋や海藻などが吸水口に詰まってしまい、同じようなトラブルにつながる事があります。

ゴミが多い所や浅瀬を航行中に冷却水の警報が鳴った場合は、一度船を止めて船外機の吸水口をチェックすることで、インペラへのダメージを最小限に留めることが出来ます。

修理作業

本題のインペラ交換をしていきます。

手順としては、ロアケース取外し→インペラ交換→ロアケース取付け→試運転の順番です。

ロアケースの取外し

まず、ケースに付いている黒いカバーを外します。

左右に一つずつ付いているので両方外しましょう。

外す時は、少し硬いのでマイナスドライバーなどでこじると取りやすいです。

カバーを外すと、中にナットが見えるのでこれを緩めます。

このナットは、上下のシフトロッドを繋いでいるジョイントを固定しているのですが、取付の際に面倒なので完全には外さず緩める程度で止めておきましょう。

ロアケースを固定しているボルトを緩め、ロアケースを外します。

インペラ取外し

次に、ウォーターポンプハウジングを外します。

ボルト4本で止めてあります。

ハウジングを外すと、インペラがあります。

今回の船外機は、インペラがバラバラになっています。

インペラを外す時固い場合は、マイナスドライバーなどで捏ねて外しましょう。

インペラを外すと、ドライブシャフトにピンが付いているので無くさないように注意

インペラの羽がなくなっているので、アウタープレートを外して千切れた羽を探します。

アウタープレートの下に、千切れたインペラの羽がありました。

千切れたインペラを取り除き、アウタープレートの当たり面をきれいに清掃して、新品の部品を組み付けていきます。

組付け

インペラ

インサートカートリッジ

ウォータポンプハウジング

この他、ガスケットとO-リングも新品に交換します。

まずは、アウタープレートカートリッジとガスケットを取付。

そして、ピンを忘れずに付けます。

ピンを付けたら、インペラを取付けます。

インペラに切り欠きがあるので、ピンの位置に合わせます。

ドライブシャフトに薄くグリスを塗るとインペラが入れやすいです。

ウォータポンプハウジングとインサートカートリッジを組み付けます。

ハウジングの切り欠きと、カートリッジの爪を合わせて合体させます。

ウォーターポンプハウジングを組み付けます。

付ける時は、ドライブシャフトを時計回りに回しながらハウジングを押し込みます。

インペラとインサートカートリッジに薄くグリスを塗っておくとスムーズに入ります。

ハウジングの取付ボルトを締めて、ロアケースの取付に移ります。

ロアケース取付

作業も終盤です。

取付け前に、エンジン側・ロアケース側共にニュートラル位置に合わせておきます。

①のラバーシールをウォータパイプに、②のシフトロッドをジョイントに確実に接続します。

確実に組み付けたら、ロアケースの取付ボルトを締め付け。

その後、忘れずにシフトロッドのジョイントボルトも締め付けます。

締付後、シフトレバーを操作してシフトが入ることを確認します。

両サイドのカバーを取り付け、最後に試運転してパイロットウォーターが出ていることを確認。

これですべての作業が完了です。

インペラは安全に航行するのに重要な部品ですので、トラブル予防のために定期的に交換を心がけましょう。

今回の2馬力船外機のインペラは交換も手軽に出来るので、ぜひ挑戦してみてください。

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