エンジン、船外機の修理「なぜオイルが白濁するのか?」その原因を解説!

船外機

こんにちは、DIY Boatingです。

ボート遊びをしている方で、船外機の整備を自分でやってみようというチャレンジャーな方に向けて情報発信しています。

「愛着のあるボートのエンジンを自分で整備してみよう!」

そんな時、まずはオイル交換から挑戦!という事が多いですよね。

今回は、オイル交換の時によく遭遇するトラブル、オイルの乳化(白濁)についてその原因について解説していきます。

どうしてオイルが白濁するのか?

正常なオイルの色と言えば、茶色っぽい物や黄色っぽい物などが思い浮かびます。

そのオイルを、50時間・・・100時間と使用していくうちにエンジン内の煤や金属摩耗粉、熱による劣化などでオイルは黒く汚れていきます。

オイルが黒く汚れるのは、オイルの持つ洗浄作用が機能している証拠です。

そんなオイルですが、整備作業の時白濁(白色や灰色に変色した状態)していることがあります。

この様に白濁する現象のことを、乳化と言います。

乳化は、水と油など本来混ざり合わないものが均一に混ざり合うことで発生するもので、身近なところではバター、マヨネーズ、ドレッシングなども乳化を利用した食品です。

ドレッシングは長く使っていないと、酢と油に分離しますがサラダなどに掛ける前にボトルを振って混ぜて使用しますよね。

船外機の場合も同じで、オイルと海水が混ざることでこの現象が起きます。

一度乳化してしまうと、そのまま新しいオイルに交換しても再び水が入り、すぐに乳化してしまいます。

この状態を放置しておくと、エンジン内部の部品が錆びるなど更なるトラブルの発生に繋がるので早期の修理が必要です。

各オイルのチェックポイント

一口にオイルと言っても船外機には数種類のオイルが使われています。

  • エンジンオイル
  • ギヤオイル
  • チルトオイル

この中でも、乳化のトラブルが多いのがギヤオイルです。

乳化しているという事は、海水が侵入しているという事なので早急に原因箇所を突き止め修理する必要があります。

ここからは、それぞれのオイルが乳化した時に確認する場所を説明していきます。

エンジンオイル

エンジンオイルの乳化は、致命的な故障に繋がりやすいのでもっとも起きてほしくない事象です。

主な海水の侵入経路としては下記の3つが考えられます。

  • シリンダヘッドの歪み・ガスケット抜け
  • シリンダガスケットの抜け(シリンダブロックとオイルパンの間)
  • エキゾーストマニホールドに穴が開いている

ヘッドの歪みは、インペラ破損などによるオーバーヒートが原因で発生することがあります。

歪みが発生すると、シリンダヘッドとシリンダブロックの間に隙間ができ、そこから海水がオイルラインに侵入してきます。

エキゾーストマニホールドは、長期間使用している間に高温な排気とエンジン冷却用の海水の影響で腐食が進み、最終的に穴が開きシリンダー内部に海水が入り乳化の原因になります。

穴が開くと、シリンダーブロック交換になってしまします。

特にヘッドの歪みとエキマニの穴は、エンジンの調子も悪くなり最悪の場合エンジン交換になることもあるので、普段からエンジンオイルの状態をチェックしておき、乳化などの異常があれば即修理対応しましょう。

エンジンオイルの状態チェックには、オイルレベルゲージ(検油棒)を活用します。

オイルレベルゲージは、船外機のトップカウリングを外せば簡単にチェックできるので、出港前点検も兼ねて色と量を確認しましょう。

日々の点検で、異常をいち早く発見して被害を最小に抑えることが出来ます。

ギヤオイル

ギヤオイルは、船外機のロアケース(プロペラが付いていて海に浸かっている部分)に充填してあり、エンジンオイルの乳化と違い船外機修理の中でも乳化の発生頻度が高い部品です。

ギヤオイル乳化の主な原因は、オイルシールの劣化・破損によるものがほとんどです。

オイルシールとは、回転軸とケースの間を密閉してオイル漏れを防止するパッキンの事。

そして、船外機のロアケースには3つの回転軸があります。

  • ドライブシャフト
  • プロペラシャフト
  • シフトシャフト

このシャフトそれぞれにオイルシールが使用されており、密閉を保っています。

ギヤオイルが乳化した場合は、ロアケース内部に圧力をかけてどこに漏れがあるか確認します。

特に乳化の原因になりやすいのがプロペラシャフトで、釣り糸を巻き込んでしまいオイルシールを傷めてしまうケースがよくあります。

また、オイルシールだけでなくオイルドレンボルトの締付不良や、ガスケット切れなどが原因になることもあるのでそちらも確認しましょう。

エンジンオイルと違って、日常的に点検が出来ない部分なので、1年に1回は定期整備も兼ねてギヤオイル交換するのがおすすめです。

チルトオイル

チルトオイルに関しては、乳化することは稀です。

チルトロッドの部分にもオイルシールは使用されていますが、このオイルシールの劣化による影響は乳化よりもオイル漏れであることがほとんどです。

船を係留中、海にうっすら油のようなものが浮かぶようなら、チルトロッドのオイルシールを確認してみましょう。

まとめ

今回は、過酷な条件で頑張るエンジンを守っているオイルのトラブル、乳化について説明してみました。

ちなみに、ヤマハ発動機推奨の船外機オイル交換サイクルは、100時間毎または6ヶ月毎です。

オイル交換は、簡単に出来る作業であると同時にエンジンにとって大事な作業です。

皆さんの大事なエンジンを守るためにも、日頃からオイルの状態を確認して未然にトラブルを防ぎましょう。

「乳化を確認したら、即修理!」

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