機種・ヤマハ4ストローク船外機 F130AETL(130馬力) 型式・6EM
症状・バッテリー上がり
原因・キースイッチの不良
症状の詳細
艇種・ヤマハW-25
搭載エンジン・F130AETL
業務で使う船で、使用頻度は高く症状が出る数日前まではバッテリートラブル無し。
出港前バッテリーが上がっていたのでバッテリー交換。
その日は、問題無く使用し帰港。
翌る日、出港しようとしたらまたバッテリー上がり。
続けてのバッテリー上がりで修理依頼をいただきました。
原因究明
まず疑ったのは、充電系統の異常。
オルタネーターやレクチファイヤレギュレータ等です。
走行中、バッテリーへの充電がうまく機能していない可能性を考えました。
手っ取り早く走行中タコメーターで電圧を確認してみましたが、13V以上の表示。
バッテリーの端子部分でも、直接電圧を計測してみましたが、同じ結果。
充電系統には問題なさそうです。
当てが外れたので、他の可能性を探ります。
カウリングをはぐって、エンジンの状態を確認します。
キーオン→エンジンスタート→キーオフ
・・・何やら、キーをオフにしてもエンジンからモーター音のような物が聞こえてきます。
と、まぁここまでは普通なのですが、いつまで経っても音が止まりません。
通常、キーをオフにした後も数秒ほどスロットルボディのETVが作動しています。
その後、モーターの作動は止まります。
ですが、今回のケースではモーターの作動が一向に止まりません。
モーターが止まらないという事は、電気を消費しているという事。
バッテリー上がりの原因は、この症状にありそうです。
さらに、この症状の原因を探ります。
まずは、ETVへの電源電圧を調べます。
スロットルボディーのカプラを外します。
橙/緑がプラス、黒がマイナスの線です。
ここにテスターを当てて、電圧を測ります。
供給電圧は、5V
キーオンで電源が供給されます。
そして、今回問題なのはキーをオフにした時の動作。
キーオフにしても、変わらず5Vが供給され続けていました。
ということで、故障の原因は電源供給に関係する部品にありそうです。
キースイッチを中古のものに交換して、動作を確認します。
今度は、キーオフしてETV作動後ちゃんと動作が止まりました。
原因は、キースイッチの不良で間違いなさそうです。
修理作業
今回は、パネルスイッチアセンブリ交換で対応。
パネルスイッチアセンブリ、部品番号・6R5-82570-07、価格・21,670円(税込)
ちなみに、キーシリンダのみの交換も可能です。
その場合は、メインスイッチアセンブリを交換になります。
メインスイッチアセンブリ、部品番号・6R5-82510-04、価格10,692円(税込)
裏の配線カプラーを外して、取付ボルト4本外します。
新品のパネルスイッチを取り付ければ修理完了です。
ちなみに、キースイッチを交換するとエンジンキーも交換になります。
今回のケースは、船外機を数年前新品に換装した時にキースイッチは交換していない様でした。
船外機と同じく、キースイッチも10年、15年と使っていると劣化してきます。
トラブル防止の為にも、長年使っていた船外機を換装する場合は、キースイッチも一緒に交換するのがおすすめです。
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