ヤマハ4ストローク船外機 F5AMHS(5馬力) 型式・6ED
症状1・白煙が出る
原因1・オーバーヒート
症状2・エンジンを吹かすとクラッチが抜けて進まない
原因2・クラッチの摩耗
本日は、船外機の修理。
お客様から連絡をいただき、さっそく船外機をお預かりしました。
機種は、ヤマハF5AMHS。
4ストロークの5馬力船外機です。
不具合の症状
- 走行中、白煙が出るようになった
- エンジンを吹かすとクラッチが抜けてしまい船が進まない
と言うことで、ひとまずキャブレターとロアケースのクラッチ関係をチェックしていきます。
修理作業
まずは、スパークプラグを確認。
かなり汚れています。
次はキャブレターを確認していきます。
まずは、燃料を抜きます。
少し見えにくいですが、丸印の所にドレンがついているのでマイナスドライバーでネジを緩めると燃料が出てきます。
抜いた燃料です。
何やら汚れが目立つガソリンでした。
キャブレター本体を外して内部の汚れも確認していきます。
外す時は、先ほどの画像の矢印の部分にネジが1本ずつついているので、それを緩めます。
キャブレターをバラしましたが、内部は綺麗で詰まり等は無さそうです。
バラしついでに、キャブクリーナーで清掃・組み付けしました。
キャブレターには、白煙の原因になりそうな部分はありませんでした。
白煙の原因を探りながら、クラッチ滑りの修理もしていきます。
プロペラの損傷が激しいので、念の為プロペラが滑っていないか確認しましたが問題ないようです。
ギヤオイルを抜きます。
金粉や乳化がないか目視点検。
ロアケースを外して、インペラ、プロペラシャフト、シフトシャフトなどをバラしていきます。
インペラの羽が無くなっていました。
白煙の原因は、ここの可能性が高そうです。
冷却水を吸い上げられず、オーバーヒートして白煙が出ていたと考えられます。
インペラは後ほど部品交換します。
次は、プロペラシャフトを外してドッグクラッチとギヤを確認。
クラッチは角が欠けた状態。
ギヤ側も角が取れて、丸くなっています。
新品のギヤはこんな感じです。
ドッグクラッチと前後ギヤを新品に交換していきます。
ドッグクラッチの交換時、印がついている方の向きに気をつけましょう。
次は前進側のベアリングです。
今回は状態がいいのでしっかり洗浄後、給脂して再利用します。
前進ギヤを組み込み、ピニオンギヤを取り付けます。
後進側のベアリングも洗浄して再利用。
スムーズに回転するかしっかり確認します。
ギヤを組んでプロペラシャフトに取り付けます。
Oリングやオイルシールをグリスアップも忘れずに。
分解した時と逆の手順で組み付けていきます。
インペラを入れる時、キーを忘れずに入れましょう。
入れ忘れるとインペラが空転してオーバーヒートの原因になります。
プロペラなどを取り付けてロアケースが完成したら、船外機に取り付けて試運転をします。
この時アイドル回転数の調整もします。
アイドル回転数:1450~1550r/min
使用している道具は、パルスエンジンタコメーター。
このエンジンは、クランクシャフト一回転につき1回スパークプラグを点火しているのでタコメーターを2サイクル1シリンダーの設定に合わせます。
基準値内に合わせて、調整完了。
白煙とクラッチが抜ける症状もしっかり改善されています。
最後にスパークプラグの焼け具合もチェック。
エンジンの調子も良くなり修理完了です。
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